2024/11/10

Difyとn8nの違いとメリット・デメリット徹底比較

Sara Kondo
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#automation#dify#n8n

生成AIのDifyと自動化ツールn8nを機能・活用シーン・導入手順で比較し、併用のコツを整理。

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Difyとn8nの違いと使い分け完全比較

結論先取り: Difyは「生成AIアプリ構築の高速化」に特化し、n8nは「APIやSaaSをつないだ自動化」に強みがあります。両者を補完的に使うと、AIを組み込んだ業務フローをスムーズに構築できます。

1. それぞれの成り立ちと思想

  • Dify: 生成AIアプリケーションをローコードで構築するOSSプラットフォーム。プロンプト管理、フロー設計、ログ分析をGUIで操作でき、LLMベースのサービスを短期間でリリースできる。
  • n8n: 汎用ワークフロー自動化ツール。SaaS連携やETL、通知処理などをノーコードで接続し、条件分岐や再試行制御が柔軟。LLM以外の業務自動化もスコープに含める。

2. 機能比較表

観点Difyn8nコメント
主目的LLMアプリ開発ワークフロー自動化目的が明確に異なる
フロー表現ブロックベース(チャットフロー、ワークフロー)ノードベース(汎用)Difyは会話設計に最適化
LLM管理モデル切替、エンドポイント連携、プロンプトバージョン管理OpenAI ノード等で任意APIを呼び出しLLMベースの可視化はDifyがリッチ
データ連携Knowledge Base、ベクターDB、トレーシング400+ SaaS/DB/APIと連携n8nはDataOps寄り
デプロイWebアプリ/エンドポイント生成、SDK提供セルフホスト、本番用ワークフローDifyは即時にエンドユーザー向けUIを提供
料金体系OSS + 有料クラウドOSS + 有料クラウドどちらもセルフホスト可能

3. 典型的なユースケース

Difyが得意

  1. 社内チャットボット: 知識ベース + フロービルダーで対話体験を用意。
  2. プロンプト実験: プロンプトバージョニング機能でABテストがしやすい。
  3. API公開: LLMに指示を与えるエンドポイントを即時に公開できる。

n8nが得意

  1. SaaSのイベント駆動連携: Salesforce→Slack・Notion→Teamsなど。
  2. 複雑な条件分岐/リトライ: 失敗時のフォールバックやループ処理が簡単。
  3. LLM以外の自動化: CSV処理、ETL、監視アラートなど幅広く対応。

4. 連携すれば強力になる理由

  1. Difyで構築したチャットボットのWebhookエンドポイントをn8nで呼び出し、前処理・後処理を自動化。
  2. n8nで収集したログやデータセットをDifyのKnowledge Baseに定期投入し、最新情報を学習させる。
  3. エスカレーションフローをn8nで制御し、閾値に応じてDifyのチャットウィジェットに判断を委ねる。
flowchart LR subgraph ユーザー U1[Slack利用者] end subgraph n8n N1[Webhook Trigger] N2[データ正規化] N3[ログ保存] end subgraph Dify D1[チャットフロー] D2[LLM応答] end U1 --> N1 --> N2 --> D1 --> D2 --> N3 --> U1

5. 意思決定のチェックリスト

質問YesのときNoのとき
エンドユーザー向けUIを即日提供したいかDify優先。UIが自動生成される。n8nでAPIのみ提供し、UIは別途開発。
多数の業務SaaSと接続する必要があるかn8n。400+連携と細かな制御が可能。Dify単体でもWebhook連携は可能。
プロンプトのABテストやログ分析をGUIで行いたいかDify。標準機能が充実。n8nでも実現可能だが実装コストが高い。
再試行・遅延・並列処理が必須かn8n。細かなフロー制御に強い。Difyはシンプルなチャット中心。
モデルを自由に切り替えたいかDifyはUIで切替可能。n8nはノード設定でAPIキーを変える形。

6. メリットとデメリット

Difyのメリット

  • プロダクトとして完成度の高いチャットUIと管理画面。
  • プロンプトとモデルのバージョンを履歴管理できる。
  • ワークフロー内でベクター検索や計算ノードを組み合わせられる。

Difyのデメリット

  • SaaS的なイベントトリガーは弱く、Webhook起点が中心。
  • セルフホストのセットアップにやや時間がかかる (Redis、PostgreSQL、Qdrant等が必要)。
  • 細かな再試行制御やループ処理はシンプルなUIに限定される。

n8nのメリット

  • ほぼすべてのノードでエラー時の Continue On FailRetry On Fail を制御でき、堅牢なフローを構築可能。
  • OSSとしてアクティブに開発されており、ノードの追加が頻繁。
  • セルフホストが容易で、Docker Compose一枚で立ち上げられる。

n8nのデメリット

  • LLM特化機能がなく、プロンプト管理は自力で行う必要がある。
  • エンドユーザー向けUIが標準で用意されないため、別途フロントが必要。
  • 大規模フローになると視覚化が複雑化しやすい。

7. 組み合わせアーキテクチャ例

  1. 問い合わせ自動応答: SlackのSlashコマンド→n8nで情報収集→Difyチャットボットで回答生成→n8nがログ保存。
  2. 社内ナレッジ強化: n8nが日次でGoogle Driveからドキュメントを取得→テキスト抽出→Difyにアップロード→検索性の高いチャットを提供。
  3. 意思決定支援: n8nがKPIダッシュボードから数値を取得→Difyで意思決定テンプレートに当て込み→結果をConfluenceへ投稿。

8. 初心者が最短で習得するステップ

  • Step 1: n8nのテンプレートでWebhook→Slack通知を作成。
  • Step 2: Difyクラウドの無料枠でチャットフローを作り、Knowledge Baseに社内FAQを登録。
  • Step 3: n8nからDifyのAPIを呼び出し、入力データを渡す簡単な連携を作る。
  • Step 4: エラー処理やログ保存をn8nで強化し、Dify側で応答品質をモニタリング。
  • Step 5: 両者をDocker Composeでセルフホストし、社内運用ポリシーに合わせて権限を整備。

📝 まとめ: Difyとn8nは競合というより「フロントに強いDify」「バックエンドの自動化に強いn8n」という関係です。ユーザー体験を素早く提供したいときはDify、複雑な業務連携や信頼性が重要なときはn8nを使い分け、両者を連携させて価値を最大化しましょう。

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